レーザー治療
動物への負担が少なく、いろいろな病気への治療への応用の可能性を秘めています。
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腫瘍・癌治療

ICGによる温熱光化学療法
腫瘍部分にICGという色素を注入し、レーザー光を照射します。
ICGは特定の波長の光を当てると約43℃に発熱します。
腫瘍細胞は熱に弱く、42.5℃付近で死滅します。
また正常細胞は43℃でもダメージを受けないので腫瘍細胞のみを叩くことができます。
この子は太ももに悪性の肉腫ができてしまいました。
高齢ということもあり、手術ではなく、ICGによる温熱光化学療法を選択されました。
処置中です。
腫瘍部分にICGを注入してレーザーを照射していきます。
皮膚が低温火傷を起こさないように皮膚を冷やしながら行います。
腫瘍部分は冷やされないので腫瘍部分のみ発熱し、腫瘍細胞を殺していきます。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、あれほど大きかった腫瘍(肉腫=癌)が完全に消失しました。

蒸散治療
直接腫瘍部分にファイバーを差し込み、内部から腫瘍を熱で蒸散させる方法です。
腫瘍部分には神経が存在していないので痛みはありません。
この子は指先にできた腫瘍でした。
あまりに硬く、ICGの注入ができなかったので蒸散治療にすることにしました。
少し痛々しいかもしれませんが、腫瘍部分は完全になくなっています。
その後、さらなるレーザー治療の1種である創傷治癒促進効果を用いて欠損部にレーザーを照射します(レーザーによる創傷治癒を見てください)。
欠損部分にレーザーを照射することで欠損部も治癒します。
その後完全にきれいになりました。

乳頭腫蒸散
乳頭腫はいわゆるイボ。両性の腫瘍ですが、場合によってはその部分を舐めてたり、こすり付けたりして出血する場合があるので、乳頭腫を取ってしまう方がいい場合があります。
蒸散前。
蒸散後。
少し火傷のようになっていますが、これも数日で元に戻ります。

半導体レーザーによる腫瘍(癌)治療のメリット・デメリット

メリット: 無麻酔で行えること、侵襲性が少なく動物への負担が小さいことがあげられます。
デメリット: 腫瘍(癌)細胞は1つでも取り残すと再び増殖を始めます。
あくまでも根治を目指すのであれば正常な部分も含めて切除する手術が第一選択となります。

レーザー治療ではすべての腫瘍(癌)細胞を撲滅できるとは限りません。
再発のリスクがあることがデメリットとなります

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